エッセイ 小説 詩 せつなさ 恋 2024.07.14 嵐の夜も、太陽の注ぐ昼も、霧がかった朝もやの中も、真珠の涙を貴方に届けます。 わたがしに触れたように 【第5回】 小林 世以子 切なくて苦しくて、それでも君に出会えてよかった この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 恋のよろこびと試練、日常のささやかな愛、等身大の自分……鮮やかでまっすぐな言葉がつめこまれた、100篇の詩を収録。※本記事は、小林世以子氏の書籍『わたがしに触れたように』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 雨・涙 Tears of Pearl 真珠の涙を 貝殻に詰め込んで 貴方に届けます。 嵐の夜も 太陽の注ぐ昼も 霧がかった朝もやの中も 貴方に届けたくて。 必死に流れていくように 祈りながら涙を流しました。
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
エッセイ 『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』 【第8回】 島崎 二郎 「医師として、もう、責任が取れない段階に入っているということです」―妻の命がかかっている。あがく私に先生は… 「ALSの場合、TDP-43のタンパク質量とかで、推定されるのでしょうか?」「それは、増えているということは分かっているんです。しかし、病気を快復させるために増えているのか、病状を悪化させるものなのか、それさえ分かっていません。もう、その辺でよろしいですか?」「病気の原因が分からない。結局はそこに戻ってしまうということですか?」私は堂々巡りをして、肝心な京子の延命期間を数字として聞き出せないでい…