けれどドラキュラ退治の一番の方法は、棺を開け朝の陽の光にすべてを晒すことだ。恐怖をすべて明るみにさらけ出すことができればドラキュラは消えていく。
だから、この私の抱えているドラキュラの棺、実体として入っているのは「もと夫」だが、本当のドラキュラの正体は暴力そのものだ。世代間連鎖、親から受けた子の心の傷と憎悪。その正体をここに晒す。もう恐れたくない、正面から闘うため書く。
DVの正体は虐待に傷ついた自分自身の亡霊。だけど生きている限り人に戻れる可能性はある。子どもたちの「お父さん」であってほしい。それが、息を引き取る最期の日になるとしても。ここに、私たちの六年を誠実に記す。ドラキュラがもう出てこられないように。
つぶやき
暴力はアルコール依存症と同じで依存性がある。しかもこれは生活習慣からくる病だ。甘いものが食べたくなる糖尿病と同じように、生活習慣の中でできる依存症。
だから、糖尿病外来の隣に暴力依存症外来とかあればいいのに、と思う。精神科はなかなかハードルが高く、いきなり警察にも相談しづらい。気軽に自分の暴力依存を相談できる場所があるといいのにな。
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