3月20日(日)23日目 室戸 安芸 高知 高知県庁 土佐 須崎
走行距離 121.5km/STAGE 累計距離 2280.2km/総累計距離(23日目) 2280.2km
今日もそうだが、道中自分に声を掛けてくれるのは大抵お爺ちゃんだ。「よく来たなぁ」「いいなぁ」 「良い人生を送っているなぁ」等と、私から見れば人生の大先輩である方々から好意的かつ羨ましがられるという事は、社会人時代にはなかった事である。
きっと人生には限りがあり、今出来る事は今の内にやっておけという事を、誰よりも理解しているからこその激励だと思った。
またほぼ全員から「俺もやりたかった!」と言われる通り、男にとって自転車とは冒険の時の最初の相棒になる事が多く、その頃にはこれに乗って日本を一周するという夢を抱くものであり、でも日常生活の中においてほとんどの男達がその夢をいつしか諦める事となる。
自分はいろいろなタイミングが重なり、こうして子供の頃の夢を実現させているのだが、それがとても貴重である事を、改めて実感するのだった。
ただ一方で女性達からはほとんど無視に近い反応で、あまり好意的には受け入れられていない様で、やはり男のロマンはお爺ちゃん達と分かち合うに限ると理解した。
室戸岬から太平洋岸沿いの道を進んで高知の中心部へ来ると、15カ所目の高知県庁へ到着するが、県庁の看板が「高知家」となっており、何だか独特の結束を感じた。
はりまや橋で自転車と写真を撮影してから再スタート。土佐を通過すると海岸線から離れて山間部へ入っていき、ひと山超えて下ると、そこは目的地の須崎だった。
夕食にホテルそばにある地元の居酒屋へ飛び込んだ。自分の顔がアイウェアによるパンダの様な日焼けをしていたため「バイクですか?」と話し掛けられ、その後大将といろいろな会話を楽しんでから店を後にしたが、こういう時間が持てるのもまた旅のうま味である。
さて、ここまで本当に奇跡的とも言える位に、走行中雨に見舞われる事がなかったが、どうやら来週以降の天気予報から、もはや雨から逃げられない状況が濃厚であり、行程を練り直したりして出来るだけ雨から逃れる計画を組んでみたりしていたが、果たして? だが雨もまた良い人生だと、きっと先輩方は言うに違いない。
【前回の記事を読む】生前リタイア後にお遍路をしたと言っていた父の姿が見えた気がして…
次回更新は5月12日(日)、8時の予定です。