第一章 浩、狙われる!

チェーンで繋ぐくらいだから、確かにそれくらいは当然している筈だ! そう思うと、間違いなく当たっている気がして、やはりこのブリーフケースを開ける事が重要に思えてきた。

早速、ツインロックの回転ダイヤルの一つを固定して始めることにして、今のツインロックが5と8を示していることからその前後の可能性が高いのでは、と考え、5の番号ダイヤルを3に固定してもう一方の回転ダイヤルを1から順番に回して上手く解錠するか?を始めた。

一つずつ回しては、ブリーフケースの上蓋を持ち上げる作業を繰り返す。

3の番号では流石に直ぐ開くことはなく、4の番号をトライしたがやはりダメで5の番号でも無理だった。

やはりこんな簡単では無いか……思いながら6の番号に移り、もう一方の回転ダイヤルの数字が9を示した時、上蓋を持ち上げると何の抵抗も無く、スッと開いた。

浩は唖然としながらも、直ぐブリーフケースの中を覗いた。

ブリーフケースの中には又、分厚い封筒が一つ入っている。

開けて見たら百ドル札がびっしりだ! 掴みだして勘定すると百枚もある。

横にクリアファイルが有り、ファイルの中に五~六枚の英語の書類と写真が入っていた。