先ず念の為に、台所から持って来たアルミホイルでチェーンとブレスレットを丁寧に巻いてガムテープで隙間無く抑えた。

それをブリーフケースの中へ入れ、更にアタッシュケースの中へそのまま上手く収めようと思った時、先々何かで急にお金が必要になることも考えて、五十ドルと二十ドルが入った封筒を取り出した。

他はそのまま中へ入れ、ブリーフケースをアタッシュケースへ収めた。

閉めるとアルミホイルを細長く切って、其処へ両面テープを貼り付け、アタッシュケースのつなぎ目から電波が洩れないように丁寧に貼り付けた。

襲われる恐怖感から、更にその上をガムテープでしっかりと押さえ、周囲のつなぎ目が分からなくなった。

浩は、

「此れでよし! 絶対洩れることは無い!」と呟いてホッと息を継いだ。

しかしゆっくりとはしていられなかった。

多分、発信信号が止んだことで何かが起きた! と思い、あの男が又戻って来るのは間違いない!

早くこの部屋を出ないと今度はあの男が何をしでかすか分からない……。

そう思って直ぐ部屋の中を行き来して、洗面用具や衣類、全てのカード、財布に加えパスポート等、取られたら困る物を急いでまとめた。

そして部屋の隅に置いてある箱型のリュックサックへ、先ず斜めにアタッシュケースを無理に押し込んだ。

五十ドルと二十ドルはリュックの表のポケットへ入れ、アタッシュケースの隙間へ洗面用具や衣類等を何とか入れたがリュックのチャックが閉まらない。衣類を押し込み、ずらして、とにかく早く、見つからぬよう上手くこの部屋から出て行くことだ! と手を動かしながら次の手順を必死に考えていた。

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