1st STAGE 東海道~紀伊半島~山陽~四国~小倉
3月7日(月)10日目 紀伊長島 熊野 新宮 串本
走行距離 123.6km/STAGE 累計距離 1044.4km/総累計距離(10日目) 1044.4km
今日も120km超の区間距離のため、新宮から那智勝浦を脇目も振らず進んでいくと、やがて海岸線に奇妙な岩々が現れたが、そこは橋杭岩という観光名所であり、ここまで来ると前方に潮岬がはっきり見えるところまで来ていた。
基本、信号等停車を誘発する様なものがなく、120km超の区間距離であってもペースとしては結構早く進む事が出来て、日没前に温泉観光ホテルへ到着。
場所柄か自転車に乗った宿泊客も多い様で、館内の自転車を保管する場所へ案内されるが、「この自転車っておいくら位ですか?」と聞かれ「約100万円です!」と答えると、慌ててもっと広い客室へ無料でアップグレードしてくれて、自転車は客室内での保管へと変更された。
ここは海産物が豊富な料理が揃い、温泉を満喫しながら洗濯も出来て、かつ宿泊料金もリーズナブルと、今思い返してもベスト5に入る位、コストパフォーマンスに優れた宿であった。
明日はいよいよ本州最南端だと、暮れ行く太平洋の先に見える潮岬を見つめながら、いつの間にか眠りに落ちていたのだった。
3月8日(火)11日目 串本 潮岬 白浜 田辺 御坊
走行距離124.5km/STAGE 累計距離 1168.9km/総累計距離(11日目) 1168.9km
今から35年前の入社2年目時の冬休みに、思い立って一人旅をした時に訪れた潮岬。あの頃はタクシー代にも余裕がなく、串本駅から歩いてきたのだが、今日自転車で回ったら往復で10km以上ある事が改めて判明した。
「よく歩いたなぁ、若かったなぁ」と苦笑しながら走っていると、やがて向こう側から不安気な顔をして歩いている、当時の自分の面影を見た気がして……。
「これからいろいろはあるけど、そう悪い社会人人生ではないから心配するな」と、当時の自分へエールを送っていた。
こんな気分にさせてくれるのも旅の醍醐味だと潮岬を後にして白浜方面へ向かうと、ここから地獄のアップダウンに加えて強風の向かい風が立ちはだかり、青息吐息となる。