序章 強い人、強い会社とは
強い会社とは
会社が長く続くかどうかは、その会社が発展する道筋にかかっています。つまり、創業したときの過程と文化にしたがって、時代のニーズに一致する製品を提供して、役員は正確な判断を下し、すべての社員が正しく実行すれば発展していきますが、それが誤ったら倒産してしまいます。
今後のネクセル社の安定経営と発展のために、私の書いた自分の履歴や創業履歴を社員全員および関係者各位の参考としていただければ幸いです。
第1章 私の修行時代
私の勉強履歴と来日の由縁
人口150人の村の出身
私は、中国陝西省白水県の北東部にある、5キロ以上続く深い谷に囲まれた人口約150人の小さい村の出身です。この村から白水県都所在地まで30キロほどの距離があります。
16歳で高校を卒業してから、田舎では2年くらい畑を耕したり果樹を栽培したりしました。18歳になって初めて家を出て大学へ行く前は、村から5キロ圏内にある親戚の家にしか行ったことがありませんでした。
当時の村には電気がなくて、当然電話やテレビはありません。コンクリートのビルやバスや電車を見たこともない田舎でした。もちろん保育園や幼稚園は全くなかったし、サッカーやバレーボールや体操等スポーツは全く知りませんでした。食用の水は大変貴重で、約50メートルの深い井戸から二人で汲み上げてから、桶で家まで担いでこなければなりませんでした。
父母兄弟妹
私は父と母の間に生まれた次男で、健在の兄と弟と妹合わせてきょうだい4人です。
普段は温厚な性格ですが、自信をもってやろうとすることに対しては結構頑固な性格でもあります。今でも真っ暗な部屋にいても全然平気です。
十代の頃、私は一人で誰もいない山で草刈りや羊飼いをしたり、夜真っ暗な田舎でも平気で歩いたりしていました。また好奇心に溢れていて、知らない世界に憧れ、冒険心が強い方だと思います。
実は私には記憶していない姉が二人いて、小さいとき亡くなったので父は病院を信じなくなりました。父は30歳から中国医薬(漢方)関係の本をいっぱい買って独学して、漢方の医者になりました。
そのような独学力が私に遺伝しているからか、自分も独学が得意です。また、豊かな見識を持つ父から偉い人のことをいろいろ教えてもらって、小さい頃から大きな夢を持っていました。