e) 夢・志
サキ:人生においてなぜ「夢・志」が大切なのですか。
コウキ:「夢を持たないで人生を送ろう」とすることは「設計図なしに家を建てよう」とするようなものです。良い家は絶対に建ちません。キング牧師やゼレンスキー(ウクライナ)大統領のように、人種差別の撤廃や不当な侵略から国を守るために「私には夢がある(I have a dream)」と言いたいものです。
すなわち、夢は自分が期待するような将来の理想的な自分の姿(理想自己)を示し、努力すればきっとそれを叶えることができるというストーリーです。それは生命力に溢れワクワクするようなやる気を与え、私たちを大きく育ててくれます。
このように、人生の1回性に伴う死生観の確立と夢・志の明確化(立志)とそれに基づく人生設計とその実施が人生において最も大切なことです。
そして、その長期的な視点に基づく死生観を基礎として燃えるような行動のエネルギー源である夢や志を追って未来志向に基づき自己の理想的な未来を見据え未来を創るために、現在をベストを尽くして生き切ることすなわち積極的に努力を継続するという習慣化(努力の習慣化)することが、悔いのない満足した人生を送るために決定的に重要です。
サキ:よくわかりました。それゆえ、自分の夢や志に向かってできる眼鏡を掛け、継続的な最大限の努力ができるという努力の習慣化はとても重要であるということですね。私も夢を追っていきたいと思います。それとの関連で、設定された「夢を目標へ展開」するのにはどのようにすれば良いのですか。
コウキ:夢の設定とそれに基づく大まかな人生設計だけでは抽象的過ぎ、夢を叶えることは容易ではありません。そこでまず夢から長期的で最終的な目標(goal)を設定し、逆算思考に基づいて未来から現在を眺め、これらを具体的な短期的な目標や計画へ具体化すること(行動計画(アクションプラン)化)によって、その実現が一層現実味を帯びてきます。
サキ:すなわち、夢 → (最終)目標 → 逆算思考 → 短期目標 → 行動計画ですね。
コウキ:そのとおりです。この場合、具体的な行動の計画や期限などを明確に設定し、最重要な目標から実行していきます。
このように締切日が明確にされそれに向かって努力をする場合には、集中力が増し効率性や成果も上がるという締切効果が得られます。そして、目標をできるだけ小さく細分化して、小さな成功体験と達成感に伴うドーパミンの放出による快感を積み重ね、学習性自己効力感と自信を身に付け、やる気を維持すると共に、最終的には長期的な目標や夢を達成します。