コーヒーブレイク
マインドフルネス
「マインドフルネス」とは呼吸(注3などに意識を集中することによって自分の感情を抑圧したり判断を加えずに、メタ認知的に感情に気づき受け入れ解放し、心を平静にし思考を止め、雑念妄念を消し無念無想となり、心を現在に集中し、心を整える方法のことです(注4。
これは東洋思想とその実践をルーツとするものです。言い換えれば、これは今この瞬間をいかなる価値判断も加えずメタ認知的にありのままに客観的・意識的に観察し、解放し受け流すものです。
ここでは、調身・調息・調心(「三調法」)・調神(「四調法」)が大切です。
すなわち、座ってこれを行う呼吸瞑想の場合には、意識を鋭敏に保つために背筋を伸ばし、姿勢を正して(調身)、目を(半分)閉じ、腹式呼吸によって穏やかで長く深い呼吸になるように呼吸を整え(調息)、呼吸に意識を向け、心に自然に浮かぶ雑念妄念という自動思考を停止し、無念無想(雑念→ 一念→ 無念)となり、心で静かに今この瞬間をありのままに客観的に観察し心のバランスを整える(調心)方法です。
これにより自律神経のバランスを整えること(調神)ができます。
もし呼吸観察への集中が途切れ、自動思考によって雑念妄念が現われた場合には、意識を観察に戻すことによって、それを停止し瞑想を継続します。
この場合、自分の意識は明晰であり、一般に自分の感情をもう一人の私が観察(セルフ・モニタリング:自己観察)(注5するという心(感情)という内面を客観的に見つめる方法であるメタ認知を使用します(岩崎・四海、66頁)(注6。
この状態では、心身や自律神経のバランスが保たれている状態であり、自己が本来持っている力が発揮できます。
注3 瞑想には静かで長い腹式呼吸が用いられ、リラックス効果や鎮静効果があります。
注4 熊野宏昭『実践!マインドフルネス』サンガ 2017。なお、自分の感情に気づいていない時はマインドレスネスの状態であり、一般に自動思考によって雑念妄念が生じています。
注5 「自己観察」(自己洞察)とは自分で自分の心がどのような状態であるのかを観察することです。
注6 この場合、瞑想中に現れる種々の感情について、この感情は「怒り」「悲しみ」であるなどという名前を付けることを「名付け」(ラベリング)といいます。そして、その感情の対応方法としてはメタ認知的にその感情そのものはありのままに受け入れることによって苦しみやネガティブ性を手放し、次にそれにどのようにポジティブに対処するのがベストかを瞬時に考えます。すなわちその感情の発生過程を分析し、かつ将来において結果が最も良くなるような対応方法を選択します。