第2節 弧度法の考察
・弧度法の発明者に関する記述が見つかりません。
【これまでの弧度法解説の欠点】弧度法の解説を読むと肝心な個所が曖昧になっています。弧θとBの座標との関係が明示されていないのです。正確には左の図になります。
原点がОの単位円上で、点A(1,0)から反時計回りにθ移動した点はB(cosθ,sinθ)です。∠AOB=θ[rad]とし、角度とします。
弧度法の解説のほとんどがθ[rad]から始めています。ここから弧の長さθに向かうと[rad]がなくなるのですが、それを言い訳に「radはなくても差し支えない」とし、強引に消している例が多いのです。
質問攻めにあわないためにかθを記述しない方法とかθ[rad]の[rad]を記述しない方法などがあります。
【証明なしで21世紀まで続く】cosθとsinθの出どころは、二階微分方程式の解のcosθとsinθです。
弧度法との関連は証明されることなく2000年を越えました。関連を解説できないとB(catθ,dogθ)も使えることになります。
【インターネット検索】弧度法に関するインターネット上の解説はすべてが納得できるものではありません。三角関数が冪級数であることに言及しないからです。
【考察】弧度法の解説が難しい理由
中学生の頃から高校生に至るまで、スパイラル方式の学習方針で「三角関数」を何度も学びます。
最終的には、本書のように角度に弧度法を使った二階微分方程式を解く必要があります。インターネット上の解説は未熟です。高校生や大学生の理解のレベルは数段階に分かれていて、相互間の討論・議論は無理と考えます。「三角関数は難しいし、世の中で必要ない」という感想を述べる方もいます。
2022年現在、この節のようなcosθやsinθや[rad]の完全な解説をしている本や教科書はありません。三角関数を正確に解説できていないのは日本ばかりでなく、世界各国も同じと思います。