「そのつもり」
と一言返した。すると、
「それで誰なんですか? 先生の党へはせ参じたいという我が党所属の議員って?」
と質され、
「絶対に本人に悟られない自信ある?」
と武藤が問い掛けると、「天地神明に誓って」と幹事長が返したので、
「今回公認申請したけど却下され無所属で戦って勝ち上がった彼とか参議院全国比例で当選している彼とか、小選挙区で勝ち上がって入党したのに体よく比例に回された彼とかなんだけど?」
とそれとなく分かる様に言うと、
「……なるほど彼らの心情を慮れば、確かに冷遇されていると思われても仕方のない面があり、心情を察するに無理からんところがあると思えます……あのー先生の立ち上げられる党は我が党と友党となり得ると考えて宜しいですよね、甚だ失礼な言い方ですが万が一の時の補完勢力と考えても宜しいですか?」
と確認するかのように言ったのに対して、
「補完勢力とは失礼な! 我が党は『日本民主保守党』と名乗るつもりで、国会活動においては『是々非々』というスタンスで臨みます。だから変な法案を提出してきたなら国会で徹底的に追及します」
と答えた。これに対し、
「我々には憲法改正の発議の後、憲政史上初となる国民投票というハードルがあり、憲法改正案をたとえ国会で三分の二以上を持って可決したとしても、国民投票で過半数を得られなくては元も子もなくなってしまいます。
可能な限り多くの政党から賛成を募ると共に国民投票で過半数を得るべく世論喚起するなら先生の立ち上げられる政党とは大いに協力し合えるものと思っております。 分かりました、幹事長として先生の政党に参加するに当たって我が党を離党したいとする議員に対しては、可能な限り早期退職者の様に円満に離党して貰えるよう努力する事をお約束致します」
と幹事長が言ってくれた。