評論 詩 ウェルビーイング 2023.06.23 【詩】若いって、なんでも始められるけど、なんにもできないから 【前回の記事を読む】【詩】「俺はこんなに弱いんだよって君に言えていたのならどんなに楽になれただろう」
エッセイ 『一人十色』 【第2回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「息子の顔が見たい」と言う妻に、私は「後でゆっくりね」と言ってしまった。だがそのあと妻は意識を失い、我が子に会えないまま… 【前回記事を読む】「至急病院に来て欲しい」妊娠した妻の病院から電話があった。病院に飛ぶと、妻は集中治療室の中で......手術を終えて我が息子と初対面した。通常なら周囲に祝福される瞬間だが、低体重児だったのですぐにNICUに回され、妻は息子の顔が見たいと微かに言っていたが、「後でゆっくり見られるから今は安静にして」と言ったのを今でも後悔している。妻はICU病室から個室に移ったが寝たきりの生活だっ…
小説 『なでしこの記憶』 【第5回】 坪井 聖 初対面で「デリカシーなさ男」呼ばわり。美しい顔立ちに反して、清楚とは無縁のお転婆な性格のようで… 【前回の記事を読む】花屋の店先、彼女の額は汗ばみ、髪先に伝う水滴は艶を放っていた。阿呆になった僕の目は制御を失い…ガッシャン! 和也の声を遮るように、僕らの耳と周りの空気を劈(つんざ)く爆音が、辺りの全てに振動を伝えた。手に持っていたシャベルの数個入れられたバケツが、その子の手から滑り落ちていた。驚く僕らとは対照的に、その子は目を瞠って僕から視線を外さない。目の前で起きている出来事の要因…