サロンビジネスは“人”が商品
僕は、人が人に直接触れて対価を得るようなタイプの仕事を「サロンビジネス」と位置づけていますが、僕らのようなサロンビジネスには物販とか飲食といったビジネスと大きく違う特徴があります。それは、“顧客とのあいだに物が介在していない”ということです。物を介さずに、人そのものを通じて対価を得ていますので、見方としては、人そのものが商品にたとえられます。
そして、その人(商品)が活躍する場となっている店舗というものは、極端にいえば商品を収納している“箱”(パッケージ)にたとえることができます。お客さまは“箱”(パッケージ)の中身である“商品”を求めて来店し対価を支払いますので、僕たちが行っているサロンビジネスの場合、お客さまは″箱”である店舗目的で来店するといった動機はじつに低いといえるのではないでしょうか。
では、“箱”(パッケージ)の中身である商品自体がなくなってしまったり、ほかのものに替わってしまえば、お客さまは一体どのような反応を起こすのか? たとえるならば、ラーメン店であれば、そのラーメン店の店構えは変わらないのに、ラーメンの味がまったく変わってしまった。これでは、今までお越しくださっていたお客さまの再来店率が下がるのは明らかです。
このように、サロンビジネスでは“人が商品”と捉えて進めていけばよいわけです。そして当たり前ですが、商品に磨きがかかれば(より価値が高まれば)売れます。サロンビジネスでは、人に磨きがかかれば、よりお客さまに支持されるということです。
では、僕らはどのように磨きをかければいいのか? サロンビジネスの場合、先にもお話しいたしましたが、直接体に触れて対価を得る、ということとなりますので、単にシステマチックというか、マニュアルチックと申しましょうか、とにかく“形式に則った接客”を超えた対応を心がけないと、お客さまに接客をしている人の胸の内(商品の質)というものを、すぐに見透かされてしまいます。
では、これら形式的な対応を超える接客とは、具体的にどのようなことなのか? 結論からいうと、これが“あり方”なのです。