ラジオも付いていない、エンジンが売りのスカイライン
【スカイライン2000RS】
セリカXXが大破して、修理もうまくいかなかったので次の車を買うことになった。ケンメリのスカイラインのあとは、ターボモデルもあったスカイラインジャパンになったがあまり興味はわかなかった。
その後にポール・ニューマンをコマーシャルのキャラクターに使い、華々しく6代目スカイラインはデビューした。何といっても話題になったのは、日産としてはケンメリGTR(S20型6気筒)以来となるDOHC(ツインカム)エンジン搭載車をラインナップに加えてきたことであった。
FJ20E型という4気筒のDOHCである。世の中が2000ccは6気筒が一番という評価になっていた時代に、あえて4気筒のDOHCを積んできた。当時の雑誌を読んだ記憶ではFJという形式名には特別な意味はなく、語呂がいいのでFJになったということであった。
また、DOHCであっても4気筒ということでGTRという名前は与えられず、2000RSという名前であった。やはりというか、2台続けて6気筒の車に乗ってきたからか、4気筒は6気筒に比べてずいぶんとラフであることを否応なく感じさせられた。エンジンの回転がL20とも違い滑らかではないのである。
しかし、その分L20と違って吹けは良く、6500回転くらいまではストレスなく吹け上がった。メーターパネルが赤かったり、リアウィンドウにワイパーが付いていたり、また、ラジオのアンテナがルーフ先端中央に付いていて、ベレットGTではないが、ちょっと昔っぽいなと私は感じた。この車は本当に質素でラジオもオプションで、パワーウィンドウはそもそもRSのグレードにはオプションでもなかったと思う。
現在のトヨタの“86”のベースグレードのように走ることに不要なものはみんな取ってしまったということかもしれない。まさに私の趣味にぴったりであった。荒々しいがFJ20Eは楽しかった。マフラーの排気音のチューニングがかなり大きめであったので、夜の静かな住宅街などに行くと排気音の大きさが気になった。
車を全く知らない女性から「暴走族みたいですね」と皮肉られたこともあったほどである。