第2章 とんでもないことが起きた!! 事の顚末と悲劇にこうして向き合った!!

第1話 まさか!? 販売会社が倒産した!!

突然の出来事であった。オーナー仲間の知人からの連絡で知った。にわかには信じられなかった。しかし、インターネットには目を疑いたくなるような事実が掲載されていた。記事の概要は、私の覚える限り以下のとおりであったように記憶している。

2009年1月26日にA社と関連会社のB管理、(株)C不動産の計3社が福岡地裁に破産手続開始を申請した。負債総額は、A社50億100万円、B管理5億4500万円、C不動産3億7200万円で、3社合計59億1800万円が見込まれていた。

村上氏は、購入前の説明で販売と管理は別会社で、販売部門が傾いたとしても管理部門は大丈夫と言っていたはずである。あの説明は何だったのか。A社と共に関連する2つの会社も倒産した。記事には、A社の社歴も綴られていた。村上氏が話していたことと重なっている。彼のA社への誇らしさと営業マンとしての自信に溢れていた表情が画面に浮かんだ。

無理のない販売方法や堅実の運営という言葉もあった。福岡市内中心3区に限定した立地戦略や建物のクオリティ等々、投資用マンションで地場トップクラスの業績を収めていたとも書かれていた。購入前に聞いていたことは真実だったのだと思いながら読み進めていたことを思い出す。

そして今回の倒産に関わる内容が後半部分に綴られていた。サブプライム問題等による不動産市況の悪化や販売不振による資金繰りの悪化が原因だったようである。不動産不況の影響を受け資金調達が思うように進まなかったのであろうか。こうしたことを背景に、オーナー間に家賃の支払いが滞るとの噂が広がり、年明けにはオーナーからの問い合わせが殺到し、社員はその対応に翻弄されたことが書かれている。この中に村上氏もいたのであろう。

記事の結びには、遂には金融機関の大半がA社に見切りをつけたことにより、財源が破綻しオーナーへの家賃支払いの目処が立たず、破産手続が開始されたと記事は結ばれていた。信じられない内容だった。家賃が滞っていた事実も確認していない。一刻も早く村上氏と連絡を取り事実を確認したかった。しかし全く連絡が取れない。