はじめに
現在、妻と合わせて3つの物件(3区分)を所有している。投資マンション経営のことなど全く知らなかった自分が、上司の紹介でマンション販売の営業マンの話を聞く機会を得て、いろいろ考え悩み抜いた末に購入を決断した。定年退職後、生活に必要なお金を得るために再就職し、働き続けるという人生を送りたくないと考えたことがその理由である。
それから15年が過ぎた。2021年は、投資マンションを所有し、15年目という区切りの年でもあり、マンション経営に関して、これまでとこれからについて一度きちんと総括し、また今後の展望を描いていかなければならないと考えるようになった。いろいろな資料を基に収支計算を進める中で、これまで認識していなかったことが多々あることに気づかされた。
資産形成の手段として投資マンション経営を選択し、今も走り続けている中で、反省すべきことや今後の方向性も改めて考えることができた。同時に、この一連の作業を通しての気づきを、投資マンション経営に興味を持っている方々や、既に所有しているオーナーにも伝えなければと思った。
これは後に述べる投資マンション所有後の信じられない出来事が起きた時、多くの仲間に支えられた経験によるところが大きい。
投資マンション経営は、個人としての営みになる。多くの場合、マンション経営で起きる出来事は初体験になる。正しい判断が何か分からないままに考え行動していかなければならない。だからこそこの15年間を総括し、このことを本書で伝えたいと考えた。私の投資マンション経営の経験が、将来の生活設計や資産形成について懸命に考えている読者の参考になればという思いである。
資産形成の手段として投資マンション経営を考える人は少なくはないと思う。しかし、旨みは分かるが、どんなリスクがあるのかよく分からないというのが多くの日本人の感想ではないか。私の経験を通してマンション経営の旨みとリスクを感じ取っていただければと思う。