4 初めてオートマに乗る

【トヨタセリカXX2600G】

あれほど好きだったスカイラインも4年も乗ると正直浮気心が出てきた。その時には各自動車メーカーも最悪の排ガス規制を乗り越えて性能の良い車を出しはじめていた。排ガスをきれいにすることは燃焼効率を上げることであったのか、また国産のエンジンも元気を取り戻してきていたと思う。私がスカイラインの次に選んだのが、初代セリカXX2600G。

5速マニュアルの設定もあったのになんとオートマの3ナンバーであった。後ろのゲートが開く車も初めてであったし、もちろんオートマも初めてであった。当時は国産車では2000㏄以下では3ナンバーはなく、ちょっと贅沢なクルマと見られていた。トヨタの2600㏄エンジンは4M−EUという電子制御のエンジンであった。

これも初体験。なにしろスカイラインのようにチョークもないし、どんなに寒くてもエンジンは一発でかかる。5速マニュアルの設定もあったのだが、2600㏄であればオートマでもいいかなと思ったのと、長めのシフトレバーが相変わらずトヨタのクルマはコンソールから少し角度がついて斜めに突き出ていて、漠然と商用車っぽいシフトレバーだと思ったためであった。

ケンメリスカイラインでコンソールから垂直に突き出ていた、木を削ったシフトレバーに慣れ親しんだ自分には、斜めに“生えている”XXのマニュアルのシフトレバーがあまりカッコ良く思えなかったのもあった。

もし、XXのシフトレバーがスカイラインのようなシフトレバーであったなら5速マニュアルを選んでいたかもしれない。同じ直列6気筒でもトヨタの6気筒は日産とはずいぶんと違っていた。M型6気筒は2600㏄の他に2000㏄もあって当時はまだトヨタの主力エンジンの一つであった。

その後の高回転型の1Gの6気筒が出るまでは、トヨタの6気筒といえばM型であった。日産のL型エンジンもM型に比べてよく回るとかパワーがあるとかではなかったが、スカイラインのイメージでドライバーには何となくスポーティなエンジンと思われていたと思う。