【前回の記事を読む】天下り教員からのパワハラで不眠症に…「なんなんだ、大学と言うところは。」
第二章 「寄り添うってなに?」
2.転職の日々
・現実は重いよ
そして、退職=経済的危機、生活破綻目前状況となった。けれど、郵便ポストには、新聞の他には請求書、税金、年金、「お金払え」の紙ばかり。お金ないんですけど。家を売る? けれど、この家は、震災にも大雪にもびくともせず、父親以上に子どもたちを守ってくれてきた。私が死んだ後は家の負債はなくなり、子どもたちに家と土地を残せて、生命保険料も入る。
しかし、うつ病のわりに元気、あちこち痛くてつらいけど死にそうにない。何だかんだとお嬢様育ちでお金に不自由せず育ってきたので、借金の仕方がわからない。
銀行で支払いをしていると、北海道が誇る俳優・Oさんの等身大看板がカードローンを誘ってきたので、ローンについてのパンフレットをもらってきた。他の銀行からもローンに関するパンフレットを色々もらってきた。銀行窓口に借金の申し込みに行ってみた。お金は借りられなかった。そりゃそうだ。払える見込みのない母子家庭に借金できる道はないらしい。
仕事ない、家のローン、夫から逃れるための度重なる引っ越しで貯金も底をついた。頼れる親も親戚も一人もいない。この先一年もつかどうか、不安はつきない。万策つきたるところで、「生命保険を切り崩せますよ」と親切なライフプランナーさんが教えてくれた。
捨てる神あれば拾う神あり、とりあえず急場をしのいだ。ギリギリセーフ? いや、結構アウトだな。