第6話 納得!! 投資マンション経営安心の仕組み

さて、諸々の説明によりマンション経営の基本的な仕組みは理解することができた。しかし、空室リスクへの不安は、如何ともしがたいものであった。いくら損益通算されるといっても空室が出た場合の金銭的負担は計り知れない不安に違いない。

ましてや空室が長期に及んだことを考えたら……。とてもではないが、精神的にも、金銭的にも持ちこたえるなんて不可能である。

村上氏は、空室リスクをさけるためのA社独自の経営理念を説明してくれた。

「オーナーに負担をさせません!!」

なんと空室保証を付けると言うのである。転居に伴い空室になった場合は、A社が家賃を肩代わりすると言うのである。空室が続くということには理由がある。

つまり借り手にとっての居室への魅力や通勤通学の不便さ等、何かしらの原因があるという。A社は、魅力の創出と不便さの解消を第一に考えながら、計100棟の建設計画を進めているという。そのほとんどを福岡市内の中心3区に限定しており、いずれも公的交通機関の主要駅から近距離に立地していると言う。

今回の提案物件は、福岡中心市街地から私鉄で2駅目の範囲内である。自転車でも中心市街地へ楽に移動できる距離である。建物のクオリティも高い。

居室のデザイン性も高い。また正面玄関はオートロックでエントランスには管理人室があり、定時になると管理人が入るとのこと。入居者にとって安全安心な環境も提供されている。

「このクオリティと利便性があれば、空室が長期に続くことは考えにくいので、我が社としては空室保証を付けても大丈夫だと考えています」

大した自信である。村上氏も自信満々で語っており、自身が勤めるA社に対して誇らしげである。

「私は、このワンルームマンションが3つの幸せを生み出すと確信しています」

「1つは、購入していただいたオーナー様」

「2つ目は、ここに住むことになる居住者様」

「そして3つ目が、私たちの会社とこれを販売することのできた私たち社員」

自分たちだけが儲ければいいというのではなく、買い手と借り手の両者の幸せを先ずは願っており、その結果として、自分たちも幸せを得るという。私よりも7つほど年下。自分の仕事に誇りを持ち、懸命に言葉を重ね、説明してくれている。

日本人は、投資に対する認識が低いと言われる。多くの人が給与と貯蓄、そして保険の3つで資産を形成している。欧米をはじめ先進諸外国では、株式投資や不動産投資も資産形成としての割合が大きい。多くの日本人にとって、特に不動産投資はハイリスクのイメージが強く、また資産を既に持っている資産家の新たな資産獲得の手段かのような印象があるように思う。

しかし、彼の話を聞けば聞くほど、不動産投資に対する認識に勝手な思い込みがあったことを感じた。

 

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