02 高等学校以上、特に大学での国公立学校の増加

日本の高等学校及び大学における私立の学校の割合は、他の先進国と比べ各段に高い。そして私立大学の付属の小中及び高等学校があるのも珍しいのではないだろうか。

以前も述べた病院も同じだが、社会の根幹に関わる機関に私立の割合が多い所に問題が潜んでいる。

私学が多い理由の一つが、日本人の教育に対する熱心さの表れで、私学の創立者が自分の理想とする、または必要とする教育を行いたいと思う熱意からだと思う。しかしその理念が良いモノであっても創業者が代替わりする事で理念は薄れてしまう。そしてやはり私学の割合が高過ぎる問題点は是正すべきである。

私学の問題は至って単純で、「高い授業料」にある。

昨今、私立の中高学生を持つ親に対しての金銭面での支援が増えてきてはいるが、まだまだ不十分である。特に中高での国公立と私立とでの授業料の差は大きく、この授業料の格差是正は必須だ。

一部の意見として、「私立の中高に通わせている親は、お金が十分有るのでは」と云った声も聞こえてくる。しかし諸悪の根源は大学を頂点とした国公立大学の少なさにある。

国公立大学が潤沢に存在し、そして受験と云う大きなハードルが緩和されれば、私立を敢えて選ぶ親は減るであろう。それから私立の中高を選ぶもう一つの理由に、一部の自治体における公立学校の教育レベルの低下もあったが、現在この問題については随分解消している。