2.転職の日々
・退職、退職、そして転職
私は離婚と同時に、住宅ローンの残債をすべて引き継いだ。女一人で、七十歳まで続く借金、気が遠くなりそうな高額な債務。それでも、私は大学教員の仕事なら、生活費もローン返済も、一人で可能だろうと思った。しかし、職場の状況が思わしくなかった。
看護教育の場であるにもかかわらず、教員による学生へのハラスメントが横行し、常態化していた。退学する学生が後を絶たず、学内で学生がハラスメントを訴えても取り上げられない。信じられないようなことが起こっていた。
そんな中、複数の教員による学生への誹謗中傷発言――これは国際間の民族的な内容を含むものだった――が大きな問題となり、学生は退学と同時に世論にこれを訴えると言った。私は、その学生の最初の分娩介助の時に、一緒にいて指導をした教員だった。彼女の一生懸命な姿勢をよく覚えていた。
私はその学生から証言を求められ、「先生は学生の味方ですか、それとも教員の味方ですか」と問われた。「私は学生の味方だよ、あなたの味方だよ」、と言った。退職を覚悟して私は証言した。私は上司と同僚を告訴したのだ。退職せざるを得なかった。
幸い、そんな私を、その後拾ってくれた看護大学があって就職した。しかし、今度は、恐ろしい仕事量と長期地方出張、パワハラ上司まで待っていた。