が、30分ほどすると、メッセージが返ってきた。
『メッセージありがとうございます。あなたも友達が行方不明……ですか?』
愛瞳は、ニュースになっている事件と同じかは分からないが、行方不明という状況は同じ、もしよければ、話を聞かせてほしいと返した。そうやって何度かのやり取りをして、分かったことは、
・投稿者は男であること。
・名前は上村。
・二週間ほど前に友人が行方不明になった。
・友人は実家暮らしで、家にいたはずなのに、夕飯の後部屋に戻り、そのまま失踪。
・部屋から出た形跡はなく、靴も玄関に残っていた。
ということだった。
「似てる……葵の状況とほとんど同じ……」
体験の共有は、親密さを加速させる。愛瞳の中で、急速に上村への親近感が増した。気持ちだけじゃなく、体まで前のめりになって、ノートパソコン画面に顔が近づく。
会ってみたい……
葵のことがなければ、そんなことは思わなかっただろうが、今は少しでも情報がほしい。
『会って話しませんか?』
愛瞳がそう送ると、上村は『ぜひ』と返信してきた。お互い、住んでいる場所も遠くない。待ち合わせ場所と時間を決めると、愛瞳はすぐに出かける準備を始めた。
葵がどこに行ったにしても、もし、何か理由があって、自主的にいなくなったのだとしても、無事を確認したい。話してくれなかったことがショックであっても、無事ならそれでいい。そのほうがいい……
「よし……」
自分の中から湧いてくる、ざわざわとした不安を隠すようにメイクを済ませると、愛瞳は家を出た。