第2章 自分軸な生き方の智慧

たった一言で人生は変われる

このできごとにより、自分の本当の心の声に従うこと。自分に嘘をつかないこと。それが自然にできるようになりました。母との関係性を断つことに、全く罪悪感が無かったと言ったら嘘になります。絶縁はある意味、両者とも血を流す覚悟でないとできません。キレイに別れることなどできません。

しかし「お世話になったから」とか「一般常識を盾にした倫理観」 を優先し、決断をもっと先送りしていたとしたら、今の幸せは無かったでしょう。今までの自分を乗り越えアップデートさせる。そのためには本当の自分の想いを、どこかで表現する必要があります。僕にとってのそれが、あの時の決断でした。現在も母を(ゆる)すことはできていません。

曖昧な言い方になりますが、今後のことは分かりません。でもそれでいいと思っています。ただ、いずれ母を赦せる日がくることを願っている。それも本当の気持ちです。 僕の過去と同じような状況になっている方。絶縁ばかりが正しい道だとは思いません。それは最終手段です。社会生活を営む上で、ある程度周りの状況を考えたり、体裁が必要な時もあります。

目くじら立てて自分の幸せだけに固執することも、引いた目線で見た時、滑稽(こっけい)に思えることもあります。ただし「これ以上無理」となった時は、なりふり構わず自分を優先させてください。それが自分軸で生きることです。それは自分勝手とは違います。そしてその幸せは、自分の選択で決めることができることも理解してください。

僕は人から相談を受けた時、こう言います。

「選択したあとのこと、想像してください。自分が楽だと思うほう、楽しいと思えるほう。そちらを選んだほうが間違いないですよ」

と。 今、そんな風に自信を持って言える自分が好きです。他人軸で悩んでいるあなた。自分の幸せは自分で選択できます。どんな自分も愛することができる決意と、ほんのちょっとの勇気さえあれば。