若き葉の光に
心地良い日射しがさしている
さわやかな風が吹いている
秋の長雨の後の気だるい昼
軽い頭痛と共に庭に立っている我
追いかけられる仕事に疲れ果て
詩情など吹き飛んで行く日々
今、獣が傷口をなめるように
日射しで心を暖めている俺
黒緑の椿の葉の中に
今年生えた若い葉が数枚
日をあびて照り輝いている
若き日の燃ゆる思いも恋も
生きる流れにとり落し来て
若き葉の光に呆然としている我

黒い花Ⅱ【第6回】
心がくずれる瞬間“悪魔の時”……
あの女(ひと)の目、あの女(ひと)の胸――それが私を惑わす。繊細な詩と艶やかな油彩画が織りなす珠玉のアンサンブル。※本記事は、大伴健氏、長友良憲氏の書籍『黒い花Ⅱ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
心地良い日射しがさしている
さわやかな風が吹いている
秋の長雨の後の気だるい昼
軽い頭痛と共に庭に立っている我
追いかけられる仕事に疲れ果て
詩情など吹き飛んで行く日々
今、獣が傷口をなめるように
日射しで心を暖めている俺
黒緑の椿の葉の中に
今年生えた若い葉が数枚
日をあびて照り輝いている
若き日の燃ゆる思いも恋も
生きる流れにとり落し来て
若き葉の光に呆然としている我