【前回の記事を読む】「企画が達成できない!」失敗経験から学んだ2つの成功条件
第1章 般若心経「空」的生き方の智慧
では今度は反対に、ご縁による願望実現体験をお話ししますね。20年前、最初は今とは違う場所でヒーリングサロンをオープンしました。その開業半年前の段階では何と僕、整体のスクールにすら通っていない状態でした。しかも店の構想も全くまとまっていませんでした。
「どこで開業するか?」「建築屋さんはどこにする?」「什器・設備は?」「建築費は退職金と貯金で賄えても運転資金は?」「その時のための銀行の融資は?」「各種届出は?」
しかし、よくもまあそんな状態で、退職後半年足らずで開業できたものだと思っています。一般的な見方だと無謀としか言えないですよね。しかしそんな準備が整っていない状況、いわゆる「タイミングでない」にもかかわらずです。“ご縁の力”って凄いのです。決まる時はとんとん拍子に決まっていくのです。
整体スクールに通いながら、それと並行して店の場所選びのための不動産探し。建築デザイナーさんを見つけること。建築費の見積もりや設計のやり取り。整体の技術を実践経験で磨くため、整体スクール卒業と同時に自作のチラシを近くの企業や介護施設に配り、依頼があった時に自宅に出張して整体をさせていただく。
すべてがパーフェクトに進みました。それは僕の能力ではありません。別のところで見えない大きな力が働いているのです。それを「ご縁」と呼びます。
それともう一例。最初にオープンした店舗から、7年前に自宅をリノベーションして移転オープンした時もそうでした。途中暗礁に乗りかけました。その時は、当初の建築見積もり予算を大きくはみ出したからです。「銀行の融資もおりないかな」と危惧しました。
しかし奇跡的に融資が通り、予測よりわずかな遅れでリニューアルオープンできたのです。それら結果を受けてそう思えるようになりました。
願望実現に必要なのは「行動」と「ご縁」。行動を起こさなければ、物事は何も変わりません。行動を起こしても「ご縁」が無ければ成就しません。目標に向けて頑張ったけれど成就できない場合は、「ご縁」が無かったのです。
この二つの違いは「意図して動けること」と「意図せず待つこと」の違い。つまり「意識してできる領域」と「意識の外で働く力の領域」の違いです。
もしも「ご縁」を引き寄せる方法があるとしたら、それは「意図する」「意図しない」を見極める能力にあるのかもしれません。