【前回の記事を読む】詩集「まかろんのおもちゃ箱」より三編

【新しい葉っぱの季節】に送る詩

「飛行機雲と緑の苑」

二人で歩く 休みの日

まだ固い 澄んだ青空に

一筋の 飛行機雲が

大空いっぱい 横切っていた

わぁ見てよ と君は歓声あげる

うんすごいね とわたしは言う

君の目は 青空映してキラキラ

これが君なんだと ふと思う

君を ワクワクさせるもの

飛行機雲 水平線 宇宙のはて

君の心に広がる 輝きの世界

わたしの目に少し 君は遠い

わたしを ワクワクさせるもの

ティーポット 葉のざわめき 妖精の声

わたしの裡に広がる 緑の苑

君の目に映らない 輝きの世界

わたしは 緑の苑の前に立ち

君の目の中に その輝きを見る

君は 澄んだ青空の下

君の飛行機雲を わたしと見る

わたしは 広がる空を見上げ

君の緑の苑の 軌跡を見る

そうして 同じひとつの輝きを信じて

ふたりの世界を 歩いてゆく