女優 Marie Belle
マリー・ベル1900.12.23 ベグル−1985.8.14
ヌイイ=シュル=セーヌ日本では映画『外人部隊』や『舞踏会の手帖』で有名なフランス人女優のマリー・ベルは、1680年太陽王ルイ14世によって設立された国立劇団コメディー・フランセーズの団員でした。
ボルドー地方のベグルでアイルランド人の父フランソワとフランス人の母マリーを両親として生まれた彼女は、幼少期をボルドーとアイルランドで過ごし、ダンスを習います。コンセルバトワール・ボルドーで演劇を学んだ後、パリのコンセルバトワールに入学し、卒業時にはマドレーヌ・ルノーと1等賞を分かち合い、1921年コメディー・フランセーズの準団員となります。
1926年、アルフレッド・ミュッセの『乙女らは何を夢みる』でマドレーヌ・ルノーとデビューを飾りますが、その舞台装置と衣装を担当したのがマリーでした。マリーはベルの美しいデッサンによる肖像画を『舞踏会の手帖』発表の翌年1938年に完成させます。
ベルはラシーヌの代表作である悲劇『フェードル』を得意演目としていましたが、フランス文化の巨人アンドレ・マルローは、「マリー・ベルが演じるフェードルを観ることは、フランスの本質を知ろうと望む全ての人たちにとってまたとないチャンスである」と彼女を称賛しています。フランスを代表した美しき女優マリー・ベルはヌイイ=シュル=セーヌでその華やかな生涯を閉じました。