【前回の記事を読む】「ビートルズが本当に好き」な人にしかわからない“コアな聴き方”
第1章 Listen to The Beatles!
では、どのように聴けば良いか。それは、初期の曲で構成されるビートルズのベスト盤ではなく、しっかりと“初期・中期・後期”を網羅したベスト盤を選び聴くということ。そしてその中から好きな曲を抜粋し、その抜粋した曲が収録されているアルバムを聴く。これが他のミュージシャン同様に、全体を把握しながら、自分の好きなテイストを素早く見つけ、十分に良いとこを押さえられる聴き方かと思います。
その“初期・中期・後期”を網羅したアルバムは、一九七三年に発売された『ビートルズ1962~1966』と『ビートルズ1967~1970』の二枚。そのジャケットの色から、通称『赤盤・青盤』と呼ばれるベスト・アルバムです。二枚組の二セット、全五十四曲収録。この二セットは『ザ・ビートルズ1』同様に、驚異的なセールスを誇ったアルバムです。
このアルバムはビートルズを初期・中期・後期ではなく“初期と後期”の二つの時代に分け、赤盤には初期の中から抜粋された二十六曲が収録され、青盤には後期の中から抜粋された二十八曲が収録されています。
選曲から見ても、かなり良いベスト盤と言えるでしょう。このベスト盤未収録の名曲達を予め抜粋させていただくのなら、聴き方として『赤盤・青盤』と『リボルバー』そして『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』の、四セット。この聴き方が体力的にも良いです。
では、ここでお浚いです。ビートルズをいち早く理解し聴くには、オリジナル・アルバム十三枚と『パスト・マスターズvol.1&2』もしくは『赤盤・青盤』と『リボルバー』そして『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』最終手段として『赤盤・青盤・黄盤』の三セットです。
『はじめに』でも伝えたように、『黄盤』とは『赤盤・青盤』未収録の名曲を集めたベスト盤です。“ビートルズ究極のアルバム『赤・青・黄』のベスト盤”を目指し、今から本書で制作していきたいと思います。この三セットを手にすれば“ビートルズ好き”そして、音楽をもっと好きになっているかもしれませんね。
「ビートルズは夢物語の連続だった」
リンゴ・スターはそう語ります。
グラミー賞二十四回ノミネート(八作品が受賞)。また、最優秀新人賞。最優秀アルバム賞。グラミー財団賞。史上最も人気のある一〇〇のロック・バンド一位。(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)歴史上最も偉大な一〇〇組のアーティスト一位。(ローリングストーン誌)総売上枚数十億枚(レコード、CD、ダウンロード等)。(ギネス・ワールド・レコーズ)最も成功したグループ・アーティスト認定。(ギネス・ワールド・レコーズ)
幻想や想像を形として表現しようとしたジョン・レノン。現実の些細な瞬間を美しく切り取ったポール・マッカートニー。ことの理想を探求し続けたジョージ・ハリスン。そんな個性豊かな才能をムード・メーカーとして繋ぎ、的確な土台となったリンゴ・スター。この四人で作る音楽がビートルズです。その音楽は世代と国境を超え、今尚人々を魅了し続ける現代アートとなるのです。