第4章 もち小麦はバリアフリー

幼児も高齢者も食べやすい

もち小麦で作ったお餅は、ソフトな感覚と、ツルッとした感覚が合わさった食感で、うどんと同様、義歯(入れ歯)にくっつきにくいとよくいわれます。

普通食への準備期にある幼児、一方では、食べづらさが気になる中高年の方にも美味しく食べていただけます。幼児から高齢者まで、いわば食のバリアフリーを実現する食べ物といえます。もち小麦餅および麺類のもうひとつの特徴は、煮溶けしないことです。

冬の味覚、鍋物の(しめ)に、お餅やうどんを入れることがよくありますが、お餅は煮溶けしますが、うどんは煮溶けしません。もち小麦のお餅はうどんと同じです。そのため調理後の煮溶けの気になる保育園や老人福祉施設での給食をはじめ大量調理の汁物の具材にも適しています。

さて、もち小麦餅がいくら食べやすくも注意いただきたいのは、窒息事故です。

魚の切り身やパンでも窒息事故は起こるものです。急いで食べたり、話に夢中になったり、ほかのことを考えながら食べたりすると、あるときはむせを生じ、最悪の場合、うっかり大きな食塊のまま飲み込んで、喉に詰まらせてしまい窒息することもあるからです。

大切な食べ物。食べていることをお互い意識したいものです。