【前回の記事を読む】入寮2日目で入部が決定!?「合気道部の伝統」の勧誘方法とは
大学生活と合気道
その当時は男子部員しかおらず全員参加です。そりゃ稽古なんだから欠席などできません!
「あの~今日はちょっと……」など言える雰囲気ではありませんでした。その当時の我が合気道部の夜稽古は飲みもセットなんです。皆貧乏学生でしたのでつまみは厚揚げなど安くて量のあるもののみ。そしてお酒はまずは瓶ビールでその後はぽんしゅ(一番安い? 日本酒)です。
ハイボールとかサワーとかそんな洒落た飲み物は飲んだことはありません。ぽんしゅの二合徳利が次々と空いては倒れていくんです。キツイ稽古の後にまたキツイ稽古です。
稽古? だけあって、徹底的に飲み方、お酒の注ぎ方等、飲み会での目上の方(先輩)との接し方が身につきました。先輩のグラスが半分くらい減るまでに後輩が先輩にお注ぎします。瓶ビールであればラベルを上にして両手でお注ぎします。グラスの八分目くらいに注げば泡でほぼほぼ完璧。
今も秋田やでお客様に日本酒をお注ぎする時は、江戸切子グラスに並々とお注ぎしますが、表面張力するレベルでピタッと止め、一滴もこぼさないのが秋田や流で、大学時代のこの稽古? のお陰と思っています。
ビールの冷え具合によって泡の立ち具合が違うので、集中力を絶やさないのも大事なんです。そして先輩からお注ぎされたら一気で飲み干し、両手をコップに添えお受けする。ぽんしゅも同様です。
そして何より先輩方がお話をしてる時はその先輩の目を見ながらしっかりと耳を傾けるのです。寮に帰って寝たら全て忘れてしまいますが、真剣に耳を傾けていることが大事! 当然お酒も入っていますので、目はトローンとしてしまいますが、集中!
ですから粗相が無いよう、集中力が途切れないよう気合です。やはり何事も気持ちが大事です。そして居酒屋大平山での稽古が終わり、先輩方に「ご馳走さまでした!」とご挨拶をしてその日が終わるのです。
一、二年の時は先輩と食事や飲みに連れられたらお金は払いませんでした。その代わり三年以上の幹部になれば、後輩の面倒を見なければならないという伝統がありました。お酒の席で後輩の面倒を見るというのは、お金の支払いだけでなく後輩達の酔い具合も見ながら、寮まで安全に帰るまで見届けること。ですから後輩は先輩について行くんです。