もう少し具体的なシーンでイメージを膨らませましょう。
皆様はパートタイマーで、ある店舗で働いています。昨日の夜から子供がぐずっており、何だか嫌な予感はしていましたが、案の定、朝、子供が発熱しました。急きょ仕事を休まなければなりません。そして、あなたの職場では、自分で「交代してもらえる人」を探してから、上司に休みの報告をするという、何とも理不尽な暗黙のルールがあります(笑)。
困りました……。先程と同じプロセスですね。いろんな人の顔が脳裏をよぎります……。皆様はパート仲間の顔を思い浮かべながら考えます。この人なら頼めるかも、この人は……、この人にはよう頼まん……。この人も無理だ……。皆様の中で「イケるかも」「ムリだろう」という判断基準は何ですか?
繰り返します。「絆ポイント」が貯まっているか、です。
同じような急なアクシデントが、他のバイト仲間に起きた時……。あなたは今まで快くシフトの代打を受け入れましたか? もし、そんな時、快く引き受け、相手から「ありがとう」と言われていたとしたら。そしてそれが何度も繰り返されていたとしたら。子供の急な発熱で、探さなくてはならない「代打」候補はすぐに見つかるはずです。
いかがでしょうか? イメージは湧きましたでしょうか? 「絆ポイント」。
もっと生々しいシーンで考えてみましょうか?
唐突ですが、今、皆さんは「とてもお金に困っている」とします。どうしても、今日中に10万円を用意しなければなりません。
誰かに頭を下げて工面してもらわなければならない……。どうしましょう……。そうですね、先程と同じプロセスです。いろんな人の顔が脳裏をよぎります……。皆様は様々な友人・知人・親類縁者の顔を思い浮かべながら考えます。この人なら頼めるかも、この人は……、この人にはよう頼まん……。この人も無理だ……。
ポイントが貯まっている人が見当たらない、誰にも頼めない、という方もおられるかもしれません。そんな方は、日頃のご自身の活動を真摯に反省しましょう。それだけ、周りの人に「絆ポイント」を貯めていなかった、自分本位、「利己」の生き方、仕事のやり方をしてきた、という結果、証拠です。
貯めた「絆ポイント」は、どんな時にでも「ポイント消費」「ポイント還元」して良いのです。ですが、この「絆ポイント」……。繰り返しますが、何となく日々を過ごしているだけでは、なかなか貯まりません。そう簡単には貯まらないのです。
人から「ありがとう」を言ってもらい続けるのは大変です……。四六時中「利他」の精神を持ち続け、自己犠牲を厭わない人でない限り無理です。人は誰しも、自分が一番可愛いもの。漫然と生きていれば、仕事をしていれば、自然と「利己」の言動に傾いていきます。我々を含め、世の中の多くの人がガンジーやマザー・テレサにはなれない……。
そんな「基本的に利己的な人間」が、どうすれば「絆ポイント」を「貯められるのか」、そして「貯まりやすいのか」……。難しそうに聞こえますがそんなことはありません。「ありがとう」とまでは、なかなか言ってもらえないとしても「絆ポイント」を貯める術は他にもあります。
そして、同じ「ありがとう」でも「効果的」な貯め方があります。後程、詳しく触れていきましょう。