妖魔狩り

ゲンは露店に並ぶ不思議な品々に思わず釘付けになる。店によって並んでいる品はどれとして同じものはなく、簡単に作られたものから様々な複雑な装飾を施されたものまでどれを見ても飽きることなく眺めていられる。どれも、珍しいものばかり。それに目を取られゲンは、ついつい立ち止まってはそれを眺めてしまう。そんなゲンに、シュラが言う。

「ここへ来たのは遊びが目的でないことはわかってるだろうな」

シュラの言葉に、ゲンは怪訝な顔で答える。

「そうでなきゃ何でこんなところに来たのさ」

「妖魔狩りに決まってる。こんなところで稼がなければ気ままな旅生活もできないしな。一応言っておくが、今回はお前も参加するんだぞ」

ゲンの言葉にシュラは素っ気ない口調で答える。

「えっ、俺も妖魔狩りに参加するの」

ゲンは驚く。今まで妖魔狩りなど、ましてや妖魔を目の前に対峙したことさえなかった。その上、妖魔と目を合わすことを考えただけでも恐怖で身がすくんでしまいそうになるのだ。

「当たり前だ。お前もそろそろ自分の手で金稼ぎをしてみろ」

シュラはそう言って、雇い主を探しにどこかへと行ってしまった。