【前回の記事を読む】【詩】言葉も交わさず目も合わせなくても あなたにあえればそれでよかった
永遠
永遠などないのに
なのになぜ
永遠に憧れる
永遠なんてないのに
なのになぜ
永遠が叶わぬことに嘆く
ないものなのに
なぜ憧れる
ないとわかっているのに
なぜ嘆き哀しみ恐れる
形あるものは
朽ちゆく定めにあり
形なきものはなお
とめどなく移ろう
この身も心も
その身も心も
儚き泡沫の夢
それが紛れもなく
動かしがたい事実なのに
ただそれは
事実の一側面に過ぎない
朽ちゆく形も
移ろう無形も
この身もこの心も
その身もその心も
永遠の中のうねり
永遠の繰り出す躍動
生まれては消える
永遠を縁取る表情
それはあたかも
大海原の水面をたゆたう
さざ波のようなもの
同形は二度とない
この身その身
この心その心
永遠の中の泡沫
湧き上がる
憧れ嘆き哀しみ恐れ
永遠の描く彩り
永久の奏でる調べ