エッセイ 詩 哲学 2022.08.02 詩集「点滅」より3連 綱引き お互い綱を引きあっている。 いつまで経っても終わらない。 永遠に続く綱引き。 何のためにやっているのか。 しかし、 解決策は有る。 お互い綱を離せば良いだけのことである。
エッセイ 『ねぇねぇみかどのおばさん』 【第3回】 六谷 陽子 不良とつるみ始めた近所の男の子…。駄菓子屋のおかみが決行したのは「えこひいき」作戦!? 一 みかどを閉店します富山の片田舎から下町に嫁いだ頃は、母も人間関係で苦労したようです。当時は、各家庭には水道は通っておらず、共同水道を十世帯くらいで使っていたのです。そこに行けば、他の誰かが必ずいます。特に水を使う時間帯は同じだから、会わずにすませる、というわけにはいかなかったようです。年配のおばさんたちは、個性的で嫌味を言う人もいれば、優しい人もいます。年配らの会話を笑いに変えて楽しむ若妻も…
小説 『紅の脈絡』 【新連載】 水無月 慧子 道路工事に当たった囚人のうち、211名が命を落とした。その中には鎖をつけられたまま脱走を試みたが捕まった者も… 「けもの道」しかなかったこの宇留邊(うるべ)に、初めて本格的な道路が作られたのは、一八九一(明治二十四)年のことであった。工事に当たった囚人のうち、二百十一名が命を落とした。その中には鎖をつけられたまま脱走を試みて捕えられた者も多く、彼らは皆土饅頭と呼ばれる土を盛り上げた墓に葬られ、そこは鎖塚と呼ばれた。当時の野図町長・沼中武氏によって、地蔵一体が建てられた。そののち、いつ誰が建てたのか、もう一…