ライバー活動スタート

ある日、「三重ワールドネットtv」というネット事業を展開する友人のアリコさんに、

「フェイスブックライブをやろう!」

と誘われました。フェイスブックライブというのは、動画配信サービスの一つの形態です。誰でもお手軽にできて、設定次第で後から何度でも見直す事ができます。もちろん発信するのもタダ、見るのもタダ。そしてライバーは、動画を生配信する人を指します。

編集を経てネットにアップするユーチューバーとは少し違います。フェイスブックライブはやったらやりっぱなし。修正はしたくてもできない。そのお手軽さが魅力で、気軽にお誘いに乗りました。

二人が付けた番組タイトルは、『三重ワールドネットtv伊藤順子's opinion 〜ユニバーサルデザインのエンターテインメント化未来図〜』。毎回間違えてしまうような題名で、毎週月曜日の夜8時から15分くらい、ユニバーサルデザインについてお喋りをする事になりました。

言い出しっぺのアリコさんは、私たち2人が今住んでいる三重県の方言よりも強い関西訛りを話すアラ還女性です。好奇心が強く積極的で涙脆くてイケイケな、時にはミュージシャン、時にはネット事業者となり、ボランティアや事業という枠組みに囚われず活動する不思議な人です。

アリコさんとは、彼女がお坊さんたちと行った東日本大震災の復興チャリティイベントに、私が「障害がある来場者のサポートをさせてください!」と押しかけた事で出会いました。

フェイスブックにライブ機能がある事も知らなかった私ですが、

「順子さんの話は面白いねんから、福祉的な内容のフェイスブックライブしよ~。簡単やから!」

と言われ、

「そうね、ユーチューブよりは気楽そうだし、失敗や自分の体験が誰かの役に立つかも」

とお誘いに乗りました。しかしいざ配信をしようとすると、聴覚障害者にも見てほしいという欲が涌いてきました。そこで、会話を自動で文字化する無料アプリにトライしましたが、スタートまでには間に合わず、得意技の見切り発車となりました。試行錯誤の結果、配信後に文字起こしをする事で落ち着いたのですが、それがこの本のベースになったのですから、人生はわからないものです。