【前回の記事を読む】フェイスブックライブでいきなり言い放った…とんでもない一言

ライバー活動スタート

それと並行して、子育てが終わればまた働きたくなるだろうと考えた私は、以前から興味があったインテリアコーディネーターの資格を取りました。二級建築士の資格も取って設計事務所で楽しく仕事をしていましたが、人生には予期せぬ事が起こるものです。

こんなに真面目な私(?)と比較的真面目な夫(???)の3人いる息子の内の一人が、まさかの不良路線をばく進。私のせいばかりとは思わなかったものの、勤めを辞めて家にいる事にしました。

その後は息子とのバトルに明け暮れ、留置場、鑑別所、裁判所や少年院、こちらも驚く事ばかりでした。家にいたその頃に、旧知の建築士からUDアドバイザー、正式には「ユニバーサルデザインのまちづくりアドバイザー養成講座」の開催を知らされ、何となく受講しました。

悩み多い時期には、他の事をしている方が気が紛れるものです。出席するだけで簡単にこの資格は取れましたが、様々な障害者についての基礎知識を詰め込んだこの講座での学びは、私の頭と心を一杯にしました。

ついでの勢いで福祉住環境コーディネーター2級の資格も取りました。どうやら私には、福祉と建築の両方にまたがったこの中途半端な世界が向いていたようです。

あれから20年近く経ちますが、未だに私はこの福祉と建築の中間にいます。この居心地の良い居場所を見つけられたのは、息子のおかげと言えば言えなくもありません。

ちなみにこの息子、市内の同学年なら俺が一番のワルやな、などと自信を付けてからの人間的成長は目覚ましく、現在は立派な社会人です。人には、「自信」や「自尊心」がどれほど大切かを、私は息子から学びました。

さてフェイスブックライブに話を戻します。

アリコさんの、なぜ講座を受講したのという問いに、私が「帰国子女と福祉と建築の経験が生かせると思ったから」と言うと、

「UDは障害者だけのためやと思ってたけど外国人も!?」

と驚きました。

何かと驚いてくれる彼女。嬉しくなって私もつい、「外国人だけじゃなくて、私たちの身近なものにもたくさんのUDがあるの」と話しました。

例えとして、駅のホーム柵は視覚障害者の転落防止だけでなく、酔っ払いや喧嘩や歩きスマホをする人等、たくさんの人の役に立つUDな設備。一言で言えば、UDは障害者だけではなく、健常者にも使いやすいものだと伝えました。初回のライバー活動の最後にアリコさんは、

「今回のフェイスブックライブのタイトルが『ユニバーサルデザインのエンターテインメント化未来図』やけど、どんな風に伝えるん?」

と聞いたので、私は、

「UDって面白いなと思ってもらえればいいな。みんなが幸せに暮らせる、ちょっと福祉テイストな工夫が身近な所にたくさんある事に気づいてもらう事が目標!」

と答えました。

こうして、私のUDおちゃらけ話はスタートしたのでした。