「ぷんぷん。公園のベンチにころがってたのよ。忘れたゾウさんがわるいのよ」
ぷんぷん虫がうつったまま、ダチョウが家にかえっているとちゅうで、カバのおくさんに会いました。
「カバのおくさん、わたしの大切なお皿をもっていったでしょ。かえしてちょうだい」
ぷんぷん虫をひっつけたダチョウは、つい、カバのおくさんにもおこってしまいました。
カバのおくさんは、「あら、そのお皿は、がらくたおき場にあったのよ。ダチョウさんのお皿だったの? いらないものだとおもってたわ」
もちろんダチョウはいらなかったのですが、ゾウにおこられたばかりだったので、カバのおくさんにも、つい、おこってしまったのです。
「いるのよ! かえしてちょうだい」
しぶしぶ、カバのおくさんは、お皿をかえしました。家にもどったカバのおくさんは急にくやしくなりました。
今にもゆかが抜けおちてしまいそうなほど、どしどしと足をふみならしました。そして、カバのおくさんもまた、ぷんぷん虫をくっつけたまま外に出かけていきました。しばらくいくと、となりの家のウサギに会いました。
「ウサギさん、そういえば、この前かしてあげたおなべをかえしてちょうだい。今すぐに!」とつぜんおこってきたカバのおくさんに、ウサギはびっくりしました。
「急になんですか! かえしますよ。今すぐにね!」
ウサギは家にかえると、すぐにカバのおくさんにおなべをかえしました。
「なによ、せっかくおいしいものをつくったのに。ぷんぷんだわ」
ウサギもぶつぶつもんくをいいました。ウサギにもどうやら、ぷんぷん虫がうつってしまったようです。ウサギは、こんどはヘビにぷんぷん。
ヘビはカエルにぷんぷん。カエルはネコにぷんぷん。まるで、ぷんぷんリレーがおこなわれているかのようです。さいごにぷんぷん虫がうつったのは、リスのムックでした。