オリンピックの銀メダリストは、銅メダリストよりも、不幸の、ふしぎ
オリンピックの表彰式を思い出してください。普通に考えたら、3位よりも、2位のひとのほうが、幸せそうですが、違うらしい のです。銅メダリストは、「表彰台だ」と、安堵しているそうです。 いっぽう、銀メダリストは、もう少しで、トップをとれたのに、と、がっくりしている場合もあるそうです。
どうでしょうか。これと同じようなことがみなさんにも言えるのではないでしょうか。つまり、発達障害人は、銀メダリストなのです。常人になれな かったから、悔しさというか、違和感を覚えやすいという感じでしょうか。
でも、本当は、銀メダリストと銅メダリストは、その他の競争者すべて、の、人間を愛しています。だから家族を含めて、まわりにいらっしゃる人々や、この生きるチャンスを与えてもらえたことに、感謝をしたほうが、生きやすくないでしょうか。
感謝なんてする義務はないとお考えかもしれません。でも感謝するという行為は義務ではありませんが、より生きやすくなるため のありがたいツールです。自分の人生に向き合い、開き直って、生きていることに感謝しませんか。そのための、本書です。
自家ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、心理的行動の1つです。教師の期待によって学習者の成績が向上することです。ピグマリオン効果については、人間は期待された通りに成果を出す傾向があることの現れとされていて、別名、ローゼンタール効果などとも呼ばれているそうです。
ピグマリオン効果の由来となったものは、神話の原典と言われている『変身物語』に収録された物語のひとつからきています。この物語は古代ローマの詩人オウィディウスが書いたもので、全15巻・およそ250編つづられています。
諸説ありますが、ピグマリオンが彫刻の腕前で、象牙で自ら作った理想の女性像に恋をする。神に祈り、それを聞いたアプロディテ神は像を人間に変えたそうです。そういう伝説に由来します。ちなみに、ギリシャ神話は、2千年以上前のお話です。
すごくないですか、人間の想像力って。逆に言うと、源氏物語にしても千夜一夜物語、シェイクスピアにしても、今でも理解できるということは、人間はあまり進化していないのではないでしょうか。
そこに、発達障害人の幸福やコミュニケーションのありかたについて、先人たちのアイデアや知恵を参考に学べると思うのです。