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第六章 家族帯同

冒頭で述べましたように、私は一ヵ月以上の長期滞在国は十ヵ国、一年以上の滞在としては四ヵ国(UAE=ラス・アル・ハイマー、インドネシア=スマトラ島北部アチェ州、コロンビア=メデジン市と、モルディブ共和国)ですが、その中で家族帯同した・できた国は一ヵ国、コロンビア共和国のメデジン市のみでした。その理由としては、

・子どもがまだ小さく、帯同先の気象条件・衛生条件が合わない、または心配である。

・学校、特に日本人の子どもが通えるような学校(幼稚園から中学校まで)がない。

・会社の家族帯同条件には原則として、帯同後一年以上そのプロジェクトが継続する予定が必要であったこと。

おおむねこのような理由がありますが、子ども(男の子二人)が小さいうちは赴任先の衛生状態が満足できず、成長してからは彼らの通える学校がない、などがキーポイントでした。

しかしその中で、コロンビアは私たち家族が考えていた帯同できる条件を満足していると思えたため、家族(特に妻ですが)の合意の上、現場責任者と会社の許可を得て帯同することとしました。

帯同期間は当初一九八六年九月から二年以上が予定されていたのですが、残念ながら業務の都合により翌年の十二月に帰国しました。従って帯同期間としては一年四ヵ月となり、短いと言えるものでしたが、その中身はかなり濃く、かつ充実したものとなりました。

ここではその期間に家族で経験したことを述べることとします。

さあ準備

一口に帯同と言っても、まず赴任先での住居、医療関係および日常生活に必要な備品をどうするかに加え、子どもたち(兄は十一歳、弟は七歳で、ともに四月生まれの小学校四年生と一年生でした)の学校はどこにしたらよいのか、などなど解決しなければならない項目はたくさんありました。もちろん家族構成や帯同先の国の諸条件でそれぞれ異なるわけです。ここでは私たち家族が経験して、よかったこと、あるいは困ったことなどを記すこととします。