MONEY(貨幣)

資本主義というものを理解するために避けては通れない話題です。現在、普通に使われている貨幣(いわゆる、お金)とは何なのでしょう?

貨幣の誕生

昔々の自給自足の社会ではお金というものは存在しません。狩猟民族にせよ農耕民族にせよ、生活に必要なものは全て自分たちで何とかしていました。

あるとき、自分たちの生産物、または狩猟してきた動物の余りを欲する人たちに出会いました。それ余ってるんなら分けてもらえませんか、と。そうやってお互いの余剰品の交換、すなわち物々交換が行われるようになりました。

しかし、欲しいモノを持っている人が、自分が持っているモノを欲しがっているとは限りません。『わらしべ長者』のように交換を繰り返すことで最終的に手に入れられるかもしれませんが、交換を繰り返すうちに時間が経ち、腐ってしまうかもしれません。それに量の問題もあります。牛と何かを交換したいといっても、牛一頭はいらない、と言われかねません。

そこで、金属を交換の媒介にすることにしました。鉄や銅は、(くわ)(すき)などの農耕具や矢じりなどの狩猟の道具を作るのに便利な材料です。金や銀は、おそらく現代人と同じでキラキラしている特性が人々を魅了したのだと思います。そうして、相手が欲しいモノを持ち合わせていなくても、金属を渡すことで欲しいモノを手に入れることができるようになりました。

金属は腐りにくく、量も変えられます。牛や豚などの家畜は半分だけというわけにはいきませんが、金属であれば半分にできます。こうして交換の媒体としての金属がお金の最初の形として生まれました。そしてこの金属を仲介として売り買いができるようになりました。

しかし金属とはいえ、人によって価値は変わります。重さや純度を測るのも厄介です。金などの貴金属であれば、ちょっとの違いでも価値が大きく変わります。金属の種類とその価値を統一しようという気運が生まれてできたのが硬貨です。古くは銅や銀、金が用いられていました。