私たちはみんなテスラの子供 前編

ゴラン・スクローボニャ 著 夏井 徹明 訳者 髙橋 ブランカ 訳者
出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング
発行年月:2020年10月7日
ISBN 9784344929913 判型 4-6280ページ
価格1,200円+税
マックス・プランクの偶然の発見――全宇宙の運命を変えるかも知れない発見――を説明できるのは、ニコラ・テスラだけだ。
一九一九年にプランクは、テスラと共にこの発見の核心に迫るためにベオグラードにやって来た。
バチカンが送り込んだ暗殺者、強大な力を持つ闇組織、極東から来た極道……といった連中が、プランクをテスラと会う前に暗殺しようと狙っていた。
セルビアの秘密警察の長、アピス大佐はあらゆる手段を講じてプランクの生命を守る。国家の名誉が、現代科学全体の将来がかかっている。
危険を取り除き、プランク・テスラ会談を断固として実現させることができるのは、美しき女スパイ、アンカ・ツキチだけである。
「ゴラン・スクローボニャ氏は、セルビア文学界においては、押しも押されぬ「大御所」であり、同国内では、村上龍氏の『昭和歌謡大全集』を翻訳し、広く知らしめた。
しかしながら、スクローボニャ氏の最大の武器である、そのずば抜けた筆力と構想力は、残念ながら、日本ではまだ知られていなかった。――今日、本作が出版される以前には」
(訳者・夏井徹明氏)
目次
  1. 第一部
  2.  プロローグ
  3.  第一章 カンタレラ! カンタレラ!  一九一九年六月 ベオグラード
  4.  第二章 手錠、運送屋、そしてアメリカの漫画  一九〇九年/一九一九年 ベオグラード
  5.  第三章 セルビア初紳士クラブ  一九一九年 ベオグラード
  6.  第四章 タイタニヤ号  一九一五年二月 イストリア半島
  7.  第五章 空っぽな人たち、終わった人たち  一九一五年 アドリア海、インド洋、南シナ海
  8. 第二部
  9.  第六章 彼の名が刻まれた弾丸  一九一九年六月 ベオグラード
  10.  第七章 十年後、四年後  一九一九年六月 ベオグラード
  11.  第八章 常春の拳  香港 一九一五~一九一六年

掲載記事

著者詳細

ゴラン・スクローボニャ
1962 年ベオグラード(当時は旧ユーゴスラビア)生まれ。ベオグラード法科大学卒業。
1987 年、「天からの贈り物」でデビュー以来、現代セルビア文学におけるホラー、SF のジャンルの旗手として活躍している。
「テスラを殺した男」(2010)の姉妹作として2013 年に「私たちはみんなテスラの子供」を上梓。10 作を超える作品が英訳されて国外で紹介されている。
2015 年には、村上龍「昭和歌謡大全集」を英語版から翻訳してセルビア語版(題名:Karaoke Strave)を出版した。