若夫婦の家はあばら家だった。屋根は一応藁わらで葺いてはあるが、半分崩れかけており、内は土間に続く板の間、ゴザ敷きの寝間があるだけだった。粗末な家だったが、それでも土間はよく掃き清められ、板の間は塵一つなくきれいに磨かれていた。結衣は衝立を目隠しに、寝間で木綿の野良着を借りて着替えた。女房が椀に白湯を注ぎ、差し出した。「誠に申しわけもねえです。なんのおもてなしもできねえで。でもこの水はハケの湧水で…
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