中大兄王子は入鹿を討ったあと、ただちに法興寺に陣を構え、蝦夷の反撃に備えた。一方で軽王子や倉山田石川麻呂、阿倍内麻呂らの工作によって、王族、臣、連、伴造(とものみやつこ)、国造の多くを味方につけることにも成功していた。中大兄は将軍巨勢徳陀(こせのとこだ)の兵をもって、首のない入鹿の遺体を蝦夷に引き渡し、蝦夷の宮を警護していた東漢(やまとのあや)に、抵抗して無駄に命を捨てぬよう説得した。巨勢徳陀は…
[連載]烽 ~皇祖の血~
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小説『烽 ~皇祖の血~』【第7回】林 龍三
「乙巳の変」中大兄王子が蘇我入鹿を討ったあとにやったこと
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小説『烽 ~皇祖の血~』【第6回】林 龍三
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小説『烽 ~皇祖の血~』【第4回】林 龍三
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小説『烽 ~皇祖の血~』【第3回】林 龍三
「早く嫁ぎたい。籠の鳥のように閉じこもるのはもうたくさん」
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小説『烽 ~皇祖の血~』【第2回】林 龍三
正月の朝賀儀を終え…弾むような早足の少女が向かう先とは
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小説『烽 ~皇祖の血~』【新連載】林 龍三
古代日本史を紐解く「この物語は持統天皇が産声を上げた645年から始まる」