【関連記事】「出て行け=行かないで」では、数式が成立しない。ホテルのダイニングルームから正面に望む山門の裏では、女性のグループ二十人ほどがビニールシートを広げて食事をしている最中だった。どうしてこんなところでとその遠足まがいのにぎやかな様子に面喰らい、たじろぎつつも脇を抜け、ほんとうにここに会津の本陣があったのだろうかといぶかりながら山上に着いて、しかし空気は一変した。本堂や大方丈、阿弥陀堂とい…
[連載]シンフォニー
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小説『シンフォニー』【最終回】真白 悠輝
小柄な典子は、ワンピースがとてもよく似合っていた。
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小説『シンフォニー』【第16回】真白 悠輝
城のものにしか見えないそれが、「金戒光明寺」の総門だった
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小説『シンフォニー』【第15回】真白 悠輝
ノートに何かをしたためている者などぼくのほかにはいなかった
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小説『シンフォニー』【第14回】真白 悠輝
自分はいったい何を求めてここに来たのだろうか…
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小説『シンフォニー』【第13回】真白 悠輝
典子の心中が察せられて、ぼくも涙を止めることができなかった
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小説『シンフォニー』【第12回】真白 悠輝
頭の底にぬぐいがたく居座る疼きがぼくを現実に引き戻す。
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小説『シンフォニー』【第11回】真白 悠輝
失ってみて初めて気づく…典子と過ごした二年間の日々
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小説『シンフォニー』【第10回】真白 悠輝
なぜ典子を突き放したのか。ぼくは出口のない後悔に襲われて…
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小説『シンフォニー』【第9回】真白 悠輝
「シシリエンヌ」の物哀しい旋律が、いまも耳に残っている
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小説『シンフォニー』【第8回】真白 悠輝
もう戻れない。僕はなぜ幸せを維持する努力をしなかったのか…
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小説『シンフォニー』【第7回】真白 悠輝
店に入って「何を飲む?」と訊くと、典子は必ずビールと答えた
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小説『シンフォニー』【第6回】真白 悠輝
こげ茶色のワンピースを着る人は、典子以外ではありえない
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小説『シンフォニー』【第5回】真白 悠輝
手後れなの。私はもうあなたとやり直すことはもうできないの…
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小説『シンフォニー』【第4回】真白 悠輝
ぼくのまわりにはもうだれもいないではないか
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小説『シンフォニー』【第3回】真白 悠輝
何者かの視線をぼくは感じた。気配の先を見てみると…
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小説『シンフォニー』【第2回】真白 悠輝
影は僕にたたみかけてきた…「ゆめゆめ逃げきれると思うなよ」
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小説『シンフォニー』【新連載】真白 悠輝
甘い感傷だけで近づこうとしても、会うつもりはありません