【前回の記事を読む】不器用な海軍中尉と二十歳の研究部員、戦時下の研究室で出会った。そして運命が動き出したおふくろと親父が結婚してしばらく経ったころ、黄ばみ、すり切れた英文の降伏文書二通が、はるばるニュージーランドから日本に届けられた。インド洋に浮かぶ「南海の島々」であるアンダマン・ニコバル諸島を終戦時まで守り抜いた、旧日本軍の地域司令官四人が、連合軍に降伏を承認して調印した文書である。日付は終戦…
[連載]おふくろの品格
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エッセイ『おふくろの品格』【第4回】奥井 栄一
1946年4月3日に絞首判決を受けた、海軍中将だった祖父。当時記された遺書を読んで、私は愕然とした
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エッセイ『おふくろの品格』【第3回】奥井 栄一
不器用な海軍中尉と二十歳の研究部員、戦時下の研究室で出会った。そして運命が動き出した
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エッセイ『おふくろの品格』【第2回】奥井 栄一
宝塚歌劇団月組男役スターやバスケット部のイケメンにお熱だった女学生時代。おふくろはなかなかにミーハーだった
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エッセイ『おふくろの品格』【新連載】奥井 栄一
母の人生をふりかえる――古希を迎えた年に亡くなった母。思い出が薄れてしまう前に、忘れてしまう前に「本として残したい」