ノックをされると緊張と恐怖で身体がこわばってしまう。でも、特に用はなく「彼氏はできた?」なんて、他愛もない世間話をし、兄の部屋へ戻っていくパターンが多かったけれど、あの日は、世間話のような会話をしながらりょうくんは私のベッドに腰掛けた。私は、机に向かっていたのである程度の距離はあったがなぜなのだろう。何気ない話をしながらもまるで誘導されてゆくかのように、私は気づくと後ろ向きで、りょうくんの膝の上…
[連載]あなただけが消えた世界
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エッセイ『あなただけが消えた世界』【第4回】上島 薫
兄の友達が、また私の部屋に来た。その日彼は、私のベッドに腰掛けて…激しい鼓動と恐怖。頭は真っ白だった。ちょうどその時…
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エッセイ『あなただけが消えた世界』【第3回】上島 薫
中学2年生になり、友達と性に関する会話から“あの日”の意味を知ることに…。あの日、りょうくんは私に何をしようとしていたのかと
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エッセイ『あなただけが消えた世界』【第2回】上島 薫
(お母さん!助けて!お母さん…)―小学5年生の私と、兄妹のように仲良しだったはずの男の子。部屋で遊んでいたら突然、体を…
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エッセイ『あなただけが消えた世界』【新連載】上島 薫
明日もし、大切な人を失うとしたら、あなたに後悔はないだろうか?
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