【前回の記事を読む】家庭のことを話すと引かれる…思いつめた彼女が取った行動とは
元彼との関係
「彼のところに行くと彼は求めてくるんです。いやって言えないでしょ? 他に行くところがないんですから。でもいやって言っても、彼はわたしのことを追い出したりはしません。そういうことはあったし、そういう人なんです。そんな悪い人じゃないんです」
「いけないのはわたしです。彼のこと好きではないし、彼と寝るのも好きでないけど、でも寝てしまうんです。やめられないんです。寝たいのは彼じゃない、本当はわたしです、わたしが抱かれたいの……」
「彼は優しいように見えるけれど、わたしの扱い方はみんな僕がわかっている、という人だから、ちょっと痛いとか苦しいとか待ってとか、とにかくなんか言うと、すごく空気が強張ってしまって、しらける?」
「ああ、しまったって思うからすぐに、あっ大丈夫、続けて!とか叫んで、してもらわないといけなくなるんです。彼が「あれして」、「ほら、こうして」というのに従っていれば機嫌がいいから、今はもう何も考えず、彼の言うままにするんです。気持ちいいを通り越して、疲れて口がきけなくなるくらいするんです。そうしたら何も考えずに眠れるから。隣に人がいれば安心して眠れるんです」
「そんなつながりでも、わたしはほしいんです。安心するんです。体がくっついていればいい、言われるまま感覚に溺れていればいい、そんなセックスでしか安心できないんじゃないかしら。だって何も考えないでいいじゃないですか……」
「そういう自分が嫌で嫌で仕方なくなるんですけど、やめられないんです。ほんとは家に帰れないんじゃない、抱かれたくて自分はあの部屋に行くんじゃないかしら。彼が求めてくると嫌な気分がしているのに、実は彼が求めてくるからあそこに行くんじゃないかしら。求めてこなかったらがっかりして家に戻るんじゃないかな、あたしってば。ホントは誰でもいいんじゃないかな、あたしってば」
「そう考えると、目の前が真っ白になって、寒気がするようなぞっとする感じがするんです」
「わたしがいけない子だからなんです、そうなるのも。家でいい子のふりをし、あの人の部屋でいい恋人のふりをし、そして母のこともあの人のことも嫌っているんです。だから居場所がなくて、愛されないんです……」