毒親とは何者か
毒親もいろいろと想いを抱えている。「あなたが生まれたときは、天使のようだったわ」と本当に娘に言ったことがある母親に出会ったことはない。
世の中にはそういう母親も珍しくないと思うが、仕事柄かこれまではあまり縁がなかった。これまで出会ったのは、娘が生まれたときに、「憎らしくて仕方なかった」、「この子のせいで自分の人生は終わりだ」と思った母親たちの方が多い。
そう、これが毒親の想いなのである。ここでは娘を翻弄する毒親たちが、実際には娘に対してどのような想いを抱いているのかを見てみよう。毒親も娘に対して、あれこれと思うところがあるのだ。
1. 娘が憎くて仕方ない、大嫌いだという毒親たち
生まれたときから憎たらしい、あるいは嫌で仕方ない……それはなぜなのか、それはどんなときなのか。
(1)憎たらしい姑そっくり
赤ん坊の顔を見た瞬間、「憎たらしい姑そっくりで、殺意さえ感じた」と漏らした母親がいた。
それでもその母親は、娘だからと世話をして高校生になるまで娘を育てたが、その間もずっと娘の顔を見ればうんざりする気持ちに変わりはなかった。当然娘も愛されていないことはわかり、親とは相いれない存在として育っていった。
「殺意を感じたといっても、本当に殺そうとしたことなどありません。ただそれくらい強い気持ちだったということなんですよ。最近よく子どもに暴力をふるう親がいますが、わたしはそんなことはしないんです。もちろん叱ることはよくありますが、激しく怒鳴ったりたたいたりということはありません」
「姑も、夫も、まるっきり同じ顔つきです。人様のうちのことなら笑っちゃうところですが」
こう語るもうすぐ50になるという母親は、どのように娘を育てたのだろう。