エッセイ 詩 哲学 2022.05.21 【詩集】「其処には、戦争の様子が見えた。」 下界 其処には 戦争の様子が見えた。 原爆が爆発した…… 夥しい死者 負傷者 泣き叫ぶ声 憎しみ合い 殺しあう様 地獄絵図 悲しみの極。
小説 『愛され未亡人の、湯けむり恋物語』 【新連載】 月川 みのり “ある条件”さえのめば、月給32万円のハロワ求人…娘に見せると震える声で「月に1度は必ず帰ってこれるんだよね?」と… 洗濯物を取り込みながら、栗原よし子はため息をついた。3月の風はまだ冷たい。ベランダから見える団地の桜は、まだ固い蕾のままだ。3年前、夫の正志が膵臓がんで逝ったあの春も、こんな風が吹いていた気がする。あれから季節は3度巡り、よし子は48歳になった。白髪が増えた。目尻の皺も深くなった。鏡を見るたびに、自分が老けていくのが分かる。それでも構わなかった。見てくれを気にする相手など、もういないのだから。テ…
小説 『兎角儚きこの世は』 【最終回】 白井 忠彦 意識不明の重体で病院に担ぎ込まれた父…意識は取り戻したものの、泣き崩れる母に「また別の男でもつくって暮らしていけ」と… 【前回の記事を読む】武司は剣術を続けることに充実感を覚えていた。だがそれは昔憧れたものと全然違う感情だった。補欠決めの試合でライバルが...試合の序盤は武司が優勢であった。体格では圧倒的に不利であった武司は、長年の経験で培った技術で上手く戦っていた。「君は相当不器用だな。でも器用なことができないからこそ基礎を大事にした真っすぐな試合ができる。あとはそれを君自身がどこまで信用できるか、どこまで信用…