俳句・短歌 短歌 2022.04.18 短歌集「茜色の空」より三首 茜色の空 【第2回】 有波 次郎長 人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 目の前の命救うは水と土、銃にあらずと哲は諭せり *二〇一九年アフガニスタンにて凶弾に倒れる。余りにも貴重な命を失った。御意志を継いでいきたい。 牛や豚ほどの尊厳さえもなく泥にまみれた皇軍の口 八月は新たな蛮行積み上がり同じ人間名乗るを恥じる
小説 『アイアムハウス』 【第8回】 由野 寿和 「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて!」オンラインゲームの最中に背後から襲われた長男 次に深瀬はパソコンのディスプレイに目をやった。デスクトップパソコンは本体が光っており、画面にはいくつものウィンドウが表示されている。「この画面は犯行当時のままか?」「そのようです」「俺にはわからんが、何の表示だ?」「これはCHAO(チャオ)とかいう、人気のオンラインゲームだそうです。オンライン上でチャットをしながら戦うサバイバルゲームで、世界中でプレイされています。どうやら世界大会も開催されてい…
小説 『鼠たちのカクメイ』 【第6回】 横山 由貴男 「拙者を捕らえれば、お主の上司も泥をかぶる…今から覚悟をしておけ」不正した役人の言葉。腐敗は幕閣まで浸透している…? 善右衛門は恭しく跡部に酌をしながら、お知恵を拝借、と遜る。「俺が袖にしたからお主の所に参ったか、あの偽善者め。無論、断れ!」「せやけど、江戸より赴任されたばかりの跡部様はご存じおまへんやろが、大塩様はここ大坂では絶大な人気をお持ちの正義漢ですわ。厄介なことにならしまへんやろか」ここで大塩平八郎の与力時代に触れよう。そもそも与力とは、奉行というキャリアからの直接指揮と幕府からの報酬を受ける身分。職…